「下町ハイボール」の作り方

基本的な「下町ハイボール」の作り方

「下町ハイボール」の作り方ですが・・・冷やしたグラスに焼酎とエキスを入れて、炭酸水で割ってスライスレモンを浮かべてオシマイ。これで「下町ハイボール」のできあがりです。(笑)

このように、作り方自体はいたって簡単なのですが、「下町ハイボール」を美味しく作るためには、守るべきいくつかの「コツ」があります。

その1:焼酎とエキスと炭酸水のベストな割合を見つけること

「下町ハイボール」は、焼酎とエキスと炭酸水の割合によって、味と風味が大きく変化します。自分が購入したエキスの製造メーカーのオススメする割合がある場合は、その割合に従って作ってみるのが王道です。その後、自分の好みで調整をしていただき、自分にとっての「ベストな割合」を探り出していただけたらと思います。

その2:焼酎は甲類焼酎を使うこと

「下町ハイボール」を作る時には、焼酎は「甲類焼酎」を使うのが基本です。最近は原料の風味や味わいを楽しむことができる「乙類焼酎」がはやっていますが「下町ハイボール」ではピュアでクセのない味わいの「甲類焼酎」がベストマッチです。

その3:氷は入れずに作ること

焼酎とエキスを炭酸水で割るという作り方ゆえに、美味しく作るためには炭酸を飛ばさないようにする必要があります。そのため「下町ハイボール」を作るときは氷を入れずに、焼酎とエキスと炭酸水、そして冷蔵庫でキンキンに冷やしたグラスで作りましょう。もちろん、混ぜるのも最低限の回数がベストです・・・ただ、氷を入れて作ったものでも、割合によっては素晴らしい味になるので、上級編としてチャレンジしてみるのもアリです。

その4:炭酸水は炭酸が強い製品を選ぶこと

「その3」であげた理由から、酒場では炭酸が強い業務用の製品を使用しているところが多いです。自宅で作る場合に業務用の炭酸水を購入するのは困難ですが、一般で売られている炭酸水でも、商品によっては炭酸が強いものもあります。できる限り炭酸の強いものを選びましょう。

その5:レモンスライスは浮かべること

元々がシンプルな味の飲み物だけに、レモンスライスの香りがあるかどうかで味わいが大きく変わります。ぜひぜひ、面倒でもレモンスライスは浮かべましょう。

・・・といっても、初めての方にはエキスの種類や、どんな焼酎や炭酸水がよいのかわからない方もいるかと思います。そのため、私が実際に試した製品について、色々とご紹介させていただきます。

「下町ハイボール」のエキスの種類

「下町ハイボール」を作る上で欠かすことができない「謎のエキス」ですが、このエキスは数社から販売されています。

エキスに関しては、大きく分けると「ハイボール系エキス」と「梅割り系エキス」の2種類に分類されます。

「ハイボール系エキス」は、炭酸水で割って「下町ハイボール」を作ることを前提に開発されたエキスです。エキス自体にはほとんど甘みがなく、そのまま舐めてみても形容しがたい味しかしないのが特徴です。「下町ハイボール」用に開発されただけあって、このエキスだけで「下町ハイボール」を作ると、爽やかで飲み飽きない最高のドリンクができあがります。

「梅割り系エキス」は、元々はストレートの焼酎に甘みや香りを付けて飲みやすくするために開発されたエキスで、エキス自体に梅の香りや甘みがついているのが特徴です。ストレートの焼酎に、このエキスを垂らしていただく飲み方を「梅割り」と言いますが、普通の焼酎が非常に口当たりがよい飲み物に変身します。この「梅割り」を炭酸水で割ることで「下町ハイボール」として提供している酒場も見られ、その心地よい甘さと炭酸水の刺激が最高のマリアージュだったりします。

ちなみに地方に住んでいる私が、実際に手に入れることができた「下町ハイボール」のエキスは、以下の6種類でした。

ハイボール系エキス

天羽飲料製造有限会社「天羽の梅<ハイボールA赤ラベル>」

「天羽の梅」からは3種類のエキスが販売されています。

この「ハイボールA赤ラベル」というエキスは、焼酎をベースにして「下町ハイボール」を作るために開発されたエキスです。「下町ハイボール」のエキスとして、一番名の知られたエキスであり、多くの酒場で愛用されています。

「下町ハイボール」を作る際の、メーカーのオススメ割合は<エキス1:焼酎2:炭酸水3>ですが、非常に繊細な性格を持っていて、割合を変えることで大きな味わいの変化を楽しむことができるエキスです。

天羽飲料製造有限会社「天羽の梅<ハイボールA黄ラベル>」

同じく「天羽の梅」から販売されているエキスです。

こちらは安めのウイスキーで、美味しいウイスキーハイボールを作るために開発されたエキスですが「下町ハイボール」用の「ハイボールA赤ラベル」とは使っている香料が違うと言われています。ウイスキー用に作られたものですが、このエキスと焼酎を使って「下町ハイボール」を作っている酒場も見られます。

ウイスキー用に作られたものであり、メーカーのオススメ割合については記載がないため、自分好みの割合を一から探し出す必要があります。

株式会社神田食品研究所「ハイボール原液」

「天羽の梅」以外で有名なのが、この「ハイボール原液」というエキスで、神田食品研究所という会社から販売されています。

神田食品研究所はサワー系の割材や濃縮ジュースなどの業務用飲料の商材を扱っている会社ですが、そのこともあってか「ハイボール原液」は「天羽の梅」で作った「下町ハイボール」と比較すると、味や風味が豊かな印象があります。

「下町ハイボール」を作る際の、メーカーのオススメ割合は<エキス3:焼酎7:炭酸水10>ですが、この割合は25度の焼酎を使用した時のものになります。また、メーカーはレモンスライスを浮かべることを推奨していますが、この「ハイボール原液」で作った「下町ハイボール」は、そのままでも美味しく飲むことができるので、レモンスライスを浮かべるのをサボってしまうこともしばしばです。(笑)

梅割り系エキス

天羽飲料製造有限会社「天羽の梅<うめ>」

「天羽の梅<うめ>」は焼酎の梅割り用に開発されたもので、ハイボール用のエキスと比較すると強い甘みを感じられるエキスとなります。

「天羽の梅<うめ>」で作った「梅割り」を炭酸水で割ると、甘めの「下町ハイボール」が出来上がります。ただし「梅酒のソーダ割り」のようなどっしりとした甘さではなく、舌に残らないくらいの爽やかな甘さになるのが特徴です。

梅割りを作る際のメーカーのオススメ割合は<エキス1:焼酎9もしくはエキス2:焼酎8>となりますが、「下町ハイボール」を作るのであれば、エキスを多めにした方がその特徴を十二分に味わうことができると思います。

合同酒精株式会社「梅の香GOLD」

「梅の香GOLD」は東京の銀座に本社がある合同酒精株式会社が販売していて、焼酎の「梅割り」にした時にはあっさりとした素直な味になるエキスです。

「天羽の梅<うめ>」とは違って、この「梅の香GOLD」は、まるで梅のど飴のような心地よい甘みと酸味を楽しむことができます。メーカーのオススメの割合は記載がないですが、このエキスは「下町ハイボール」にした時に、抜群の美味しさになる「黄金の割合」があると私は感じています。

その割合については「ベストの割合を探る」のページでお伝えさせていただきます。

三重化量株式会社「焼酎用うめエキス割梅」

「焼酎用うめエキス割梅」は、三重県にある三重化量株式会社が販売しているものです。

「キンミヤ焼酎とよく合う」というキャッチフレーズと共に売られていますが、そのキャッチフレーズは本当です。キンミヤ焼酎とこのエキスで作った梅割りは梅の風味も豊かであり、ワインエキスも入っているせいか大変リッチな味わいを楽しめます。

この「焼酎うめエキス割梅」で作った「下町ハイボール」の味は、どちらかと言えば梅酒のソーダ割りやサワーに近い、甘みが前面に出た味わいになります。

メーカーのオススメ割合については記載がありませんが「天羽の梅<うめ>」と同じく「下町ハイボール」を作るのであれば、エキスを多めにした配合の方がよさそうです。

焼酎の選び方

「下町ハイボール」で使う焼酎は、甲類焼酎であればどのような焼酎でも構いません。

ただ、個人的には焼酎の種類とエキスの組み合わせによって、案外マッチングが変わってくると感じています。

甲類焼酎にはメーカーとアルコール度数の違いがありますが、度数は主に20度と25度と35度の製品があります。一般的には25度の製品を多く見かけますが、35度の甲類焼酎で「下町ハイボール」を作ると、焼酎+エキスと炭酸水の割合が変わるため、炭酸が効いたドライな味を楽しむことができます。私のオススメは以下の3種類です。

宮崎酒造「亀甲宮焼酎(通称:キンミヤ焼酎)<25度>」

キャッチフレーズは「下町のナポレオン」。まろやかで口当たりの良い焼酎です。

そのままキンと冷やしてロックでもいいですし、どんな割材でも美味しく仕上げることができます。そのキャッチフレーズの通り甲類焼酎界の偉大なる存在です。

「下町ハイボール」を作る際の定番となる焼酎で、どのエキスで作っても素直にそのエキスの味を引き出してくれます。また、最近は酒屋だけではなくコンビニでも手広く販売されているため、手に入りやすいのも魅力です。

お得にたくさん飲みたい方には、同じメーカーから出ている「好きやねん」という4リットルのペットボトル入りの商品がオススメで、中身は全く同じものになります。

実はこの焼酎、三重県にある「宮崎酒造」というメーカーで作られているのですが、そこでは「宮の雪」という日本酒も作っています。こちらも名の知れた銘酒で、私もよく晩酌で楽しませていただいています。

宝酒造「宝焼酎ゴールデン<25度>」

キャッチフレーズは「大衆酒場ファンのための、ゴールデンに輝く焼酎」。

甘い香りと絶妙なコクで、焼酎自体の旨味を楽しむことができます。宝酒造の甲類焼酎には「純」「レジェンド」というロングセラーブランドがありますが、この「宝焼酎ゴールデン」というブランドは、比較的新しいブランドのようです。この焼酎もコンビニでよく見かける焼酎です。

個人的には大好きな焼酎で、この焼酎のみを炭酸水で割って飲んだりすることがあります。また「エキスと焼酎のベスト割合」でも紹介していますが、この「宝焼酎ゴールデン<25度>」と神田食品研究所の「ハイボール原液」で作った「下町ハイボール」は、最高のマッチングで甘みのあるしっかりとした旨さを醸し出します。

ちなみに、宝酒造からは「焼酎ハイボール<ドライ>」という、下町ハイボール風の缶チューハイが販売されていますが、この「ゴールデン」をベースに、下町ハイボールの味を再現していったんだろうなぁと感じさせられる味わいです。

宝酒造「純<35度>」

私は35度の甲類焼酎で「下町ハイボール」を作るときは、宝酒造のロングセラーブランド「純」を使っています。「純<35度>」はアルコール度数が強いのですが、味はいたってまろやかで、ロックにしても飲みやすい焼酎です。

こちらで「下町ハイボール」を作ると、割合として少なめの焼酎に多めの炭酸水で仕上げることができるため、炭酸の効いた感じで作り上げることができます。ただ、この焼酎自体の味が強く主張するタイプのものではないからか、ハイボール系のエキスで「下町ハイボール」を作ると、若干おとなしめの味に落ち着いてしまうので、その点は好き好きかと思います。梅割り系のエキスで「下町ハイボール」を作ると、大変飲みやすく仕上がります。

炭酸水の選び方

「下町ハイボール」では、焼酎とエキスを炭酸水で割る・・・という作り方をするのですが、比較的焼酎とエキスの割合が多いこともあり、上手に作らないと炭酸が弱くなって爽快感がなくなってしまいます。

その失敗を避けるためには、なるべく炭酸水の炭酸を飛ばさないように作るのと同時に、炭酸水を選ぶときに強い炭酸が入ったものを選ぶことが大切です。

本来であれば、業務用の炭酸が強い製品を使うのがよいのでしょうが、個人で手に入れることは困難です。そのため、個人で手に入るなかで炭酸が強めの炭酸水を色々探してみました。私のオススメは以下の4種類です。

アサヒ飲料「ウィルキンソンタンサン」
VOX COLORLESS CLEAR「VOXヴォックス強炭酸水<プレーン>」
セブンアイホールディングス「そのまま飲める炭酸水」
友桝飲料「強炭酸水」

この中で、炭酸を一番強く感じるのは②の「VOXヴォックス強炭酸水」です。これで「下町ハイボール」を作ると、キリッと炭酸の効いた爽快感のある感じに仕上げることができます。ただ、近所に売っていないため通販を利用したケース買いしかできないことが残念です。

その点で、①の「ウィルキンソンタンサン」と③の「そのまま飲める炭酸水」は、どこでも手軽に手に入れることができる割には、きちんと炭酸が効いていてオススメです。また、④の「強炭酸水」は酒屋でよく見かけるもので、量が1000mmで100円を切る値段で売っています。炭酸もそれなりに効いていて、一日に何杯も「下町ハイボール」を作るのであればコストパフォーマンスは最高です。

個人的な感想としては、炭酸の効きを追求するのであれば、②の「VOX ヴォックス強炭酸水」が一番のオススメで美味しく仕上がると思います。しかしながら、価格や入手のしやすさという点も含めると、①の「ウィルキンソンタンサン」の250mm缶は、量・炭酸ともに「下町ハイボール」を作るのにちょうど良いと感じています。

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